コスト削減や業務効率化を目的としてクラウドサービスの導入を検討する企業が増えています。しかし、よく考えずに導入すると、思わぬコストの発生やセキュリティリスクに直面する可能性があります。
※本記事でのクラウドサービスは、厳密にはSaaS(Software as a Service)を想定しています。Google WorkspaceやMicrosoft365、NotionやCanva、ジョブカン、マネーフォワードクラウドなどのサービスです。
本記事では、クラウドサービス導入で失敗しないためのチェックポイントをご紹介します。
1. コストモデルの理解
クラウドは「使った分だけ」の従量課金が基本です。
ユーザー数や必要な機能のアドオンなどがコストに影響します。安易な導入は思わぬコスト増につながるため、慎重な試算や料金プランの検討が必要です。
例えば必要なユーザー数が想定より多かった、肝心の機能が上位プランでないと使えなかったなど、使い始めてから気づくこともあります。無料枠や試用期間のあるサービスでは、実際に試してみて過不足がないか確認しておきましょう。
2. セキュリティ対策の確認
クラウド事業者が提供するセキュリティ機能を十分に確認しましょう。
それに加え、自社で追加すべき対策(アクセス制御、暗号化など)を明確にします。
特に重要な業務データを扱う場合は、より慎重な検討が必要です。
3. 通信環境の要件
社内からクラウドサービスへのアクセスに必要な通信帯域を確認します。
特にテレワーク環境からの利用や、大容量データの送受信がある場合は注意が必要です。
4. データのバックアップ方法
クラウド事業者提供のバックアップ機能の範囲と制限を理解し、必要に応じて追加のバックアップ対策を検討します。
特に重要なデータは社内あるいは他の安全な場所に別途バックアップを取りましょう。
クラウドサービスのデータが全て喪失してしまったり、サービスが突然終了してしまったという事例も実際にあります。不測の事態に対処できるようにしておきましょう。
5. 契約条件の確認
サービスレベル契約(SLA)の内容、特に稼働率保証や障害時の補償について確認します。
また、契約解除時のデータ移行方法や費用についても事前に把握しておきましょう。
6. コンプライアンス対応
取り扱うデータに関する法規制(個人情報保護法、業界固有の規制など)への対応状況を確認します。
特にデータの保存場所(国内/海外)には注意が必要です。
クラウドサービスを提供しているのが海外の事業者の場合、準拠法が日本法になっているか、管轄裁判所はどこになっているか(日本国内の裁判所になっているか)なども確認しましょう。
7. 既存システムとの連携
社内の既存システムとの連携方法を検討します。
特にデータの同期や認証連携(シングルサインオン)の方式は重要なポイントです。
8. 障害時の対応体制
クラウドサービスに障害が発生した場合の連絡体制や代替手段を検討します。
特に業務への影響が大きい機能については、バックアップ計画やリカバリー計画を作成しておきましょう。
9. 利用者向けサポート体制
社内での利用者サポート体制を検討します。
クラウド事業者のサポート窓口の利用方法や、社内での問い合わせ対応フローを整備しましょう。
10. 将来的な拡張性
事業拡大や利用者増加に伴うシステム拡張の容易さを確認します。
特にデータ量やユーザー数、アクセス数の増加に伴うコスト変動や、他サービスとの連携可能性を検討します。
まとめ
クラウドサービスは、適切に選定・導入することで大きな効果が期待できます。上記のポイントを事前にチェックすることで、安全で効果的な導入が可能となります。
不明な点やより詳しい内容について知りたい場合、あるいはクラウドサービスの導入支援をご希望の方は、以下の問い合わせフォームより弊社にご相談ください。初期相談は無料で承っております。
参考文献
- 独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)「中小企業のためのセキュリティガイドライン」 https://www.ipa.go.jp/security/keihatsu/sme/guideline/
- 中小企業のためのセキュリティガイドラインについて、本サイトで解説記事を連載しています。こちらもぜひご覧ください。
- 独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)「クラウドサービス安全利用の手引き」 https://www.ipa.go.jp/security/sme/f55m8k0000001wpl-att/outline_guidance_cloud.pdf
(注:URLは記事作成時点のものです。最新の情報は各機関のWebサイトでご確認ください)