この記事では、中古ルーターを購入する際の注意点について解説します。
ネットワーク機器の中でも特に重要で、コストがかかるのがルーターです。限られた予算の場合、中古なら予算を抑えつつ高性能な機種を手に入れられる可能性があります。しかし、中古ルーターの購入には注意すべきポイントがいくつかあります。
この記事は2025年月時点の情報に基づいています
中古ルーターを検討する際、最も重要なのはファームウェアのサポート状況です。メーカーが既にサポートを終了している機種は、セキュリティアップデートが提供されないため、脆弱性に対して無防備になってしまいます。
メーカーごとにサポート期間の方針は異なりますが、一般的に製造終了から数年経過すると、ファームウェアの更新が提供されなくなる場合が多いです。多くの国内メーカーでは明確なサポート期間を設けておらず、時期ではなく「影響を受けるお客様を鑑みて対応」する方針を取っている場合もあります。一部メーカーでは「フル」→「制限(セキュリティアップデートのみ)」→「期間の終了」と徐々にサポートが限定されていくパターンもあります。
安全に使用するために、購入前にメーカーの公式サイトで対象機種のサポート状況を確認しましょう。すでにサポートが終了している場合や、サポート期間が残り少ない場合は購入を諦めましょう。
サポート期間中でも、メーカーによってはアップデートはサポート契約が必須の場合もあります。アップグレードの条件についても確認しておきましょう。
中古ルーターを選ぶ際は、スペックが現在の通信環境に適しているかどうかを確認しましょう。
例えばWi-Fiルーターの場合、最新の規格は「Wi-Fi 7」( IEEE802.11be )です。その前は新しい方から以下のようになっています。
世代が進むごとに最大通信速度は向上しています。なるべく新しい規格に対応したものを選びましょう。
また、使用するデバイスの対応規格や利用環境、同時接続台数を考慮することが重要です。また、周波数帯の選択も電波干渉や障害物の影響を受けにくくするためのポイントになります。
インターネット回線を接続したり、ファイルサーバーを接続するEthernetポートについても確認しましょう。
10Gbpsのインターネット回線を使用する場合や負荷の高いファイルサーバーを接続する場合は、10Gbps対応のものを選びましょう。
中古ルーターを選ぶ際のハードウェア関連のチェックポイント:
古いルーターはセキュリティ面で弱点があることが多いため、注意が必要です。
中古ルーターを購入する際、セキュリティ機能の確認は最も重要なポイントの一つです。Wi-Fiの暗号化方式はセキュリティレベルを決める重要な要素で、最新のルーターは初期値でWPA2(AES)となっていることが多いですが、古いルーターはセキュリティ面で劣る可能性があります。現在主流となっているセキュリティプロトコルはWPA2とWPA3です。
WPA2には「KRACK」と呼ばれる脆弱性が2017年に発見され、WPA3にも「Dragonblood」という脆弱性が見つかっています。幸いこれらの脆弱性は、Wi-Fiルーターやデバイスを最新版にアップデートすることで解決できるものです。 中古ルーターの場合、これらのアップデートが適用されているか確認が必要です。
セキュリティ機能をチェックする際のポイント:
中古ルーターを購入したら、初期設定としてルーターの管理画面のパスワード変更が必須です。
多くのルーターは工場出荷時、管理画面のログインIDが「admin」、パスワードが「password」や空白になっています。これは大きなセキュリティリスクとなり、悪意ある第三者にルーターの設定を変更されてしまう可能性があります。
中古ルーター購入後に必ず行うべき管理画面のパスワード変更手順:
中古ルーターを購入する際は、外観の物理的な状態も重要なチェックポイントです。
確認すべき点:
中古ルーターを購入する際は、販売者の返品ポリシーや保証内容も確認しておきましょう。
確認すべき点:
中古ルーターを購入する際、以下の付属品が揃っているか確認しましょう:
中古ルーターを購入する際は、以下の7つのポイントを必ずチェックしましょう:
中古品は価格面で魅力的ですが、セキュリティリスクや互換性問題を避けるためにも、これらのチェックポイントを忘れずに確認しましょう。場合によっては、多少高くても新品を購入する方が長期的にはコスト効率が良いこともあります。自分の用途に合った適切な選択をするためにも、上記のポイントを参考にしてください。