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Windows 11 HomeとProの違い:スモールビジネスではどちらを選ぶべきか

パソコンを購入する際、Windows 11のエディションのHomeとProの違いがわからず迷ったことはありませんか?価格差があるため「Proって何が違うの?」とか「仕事用だとProにしないとダメ?」と悩む方もいると思います。

この記事では、Windows 11のHomeとProの違いについて解説し、スモールビジネスにとってどちらが適しているのか見ていきます。

※この記事は2025年4月時点の情報です。Microsoftの製品仕様変更により内容が変わる場合があります。

Windows 11 HomeとProの主な違い

Windows 11にはHomeとProの2つの主要エディションがあります。まずは両者の違いを表で整理してみます。

機能Windows 11 HomeWindows 11 Pro
価格(概算)標準搭載、単体購入約16,000円標準搭載、または約24,000円(単体)、アップグレード約14,000円
BitLocker暗号化×
リモートデスクトップ接続(ホスト側)×
Hyper-V仮想化×
ローカルグループポリシーエディター×
ドメイン参加×
Active Directory対応×
Microsoft Intune対応制限あり

ではそれぞれの違いについて、もう少し詳しく見ていきましょう。

主な機能の違いを詳しく解説

1. BitLocker暗号化(Pro版のみ)

BitLockerとは?

ハードディスクやSSD全体を暗号化する機能です。パソコンが盗難に遭った場合でも、データを第三者に読み取られないようにするセキュリティ機能です。

なぜ重要か?

顧客データや会社の機密情報を扱う場合、万が一の紛失・盗難時のリスクを大幅に低減できます。個人事業主や中小企業でも、取引先や顧客の情報を扱う場合は重要な機能と言えるでしょう。

Home版でも、デバイス暗号化という簡易版の暗号化機能はありますが、BitLockerほど高度な設定はできません。

2. リモートデスクトップのホスト機能(Pro版のみ)

リモートデスクトップとは?

離れた場所からネットワーク経由でパソコンを操作できる機能です。

なぜ重要か?

外出先からオフィスのパソコンを操作したり、ITサポート担当者がリモートで問題解決できたりします。テレワークが一般的になった現在、重要性が増しています。

※注意点:

  • Home版でもリモート接続の「クライアント側」にはなれます(つまり、別のPro版PCに接続することはできます)。しかし、「ホスト側」(接続される側)になることはできません。
  • TeamViewerなど第三者製アプリを使えば、Home版でもリモート操作は可能です。

3. Hyper-V仮想化技術(Pro版のみ)

Hyper-Vとは?

1台のパソコン上で複数の仮想マシン(VM)を動かせる機能です。違うOSを同時に動かしたり、安全に検証環境を作ったりできます。

なぜ重要か?

ソフトウェア開発やテスト、旧システムの互換性維持、セキュリティ検証などに役立ちます。複数のPCを用意する必要がなくなるため、コスト削減にもつながります。

4. ドメイン参加とActive Directory(Pro版のみ)

ドメインとActive Directoryとは?

企業内のネットワークでユーザーアカウントやパソコンを一元管理するための仕組みです。

なぜ重要か?

複数人で同じシステムを使う際、ユーザー権限の管理やセキュリティポリシーの適用が簡単になります。社員が10人以上いるような会社では、管理効率化のためにこの機能が利用できます。

5. ローカルグループポリシーエディター(Pro版のみ)

グループポリシーとは?

Windowsの細かい設定を一括管理できる機能です。

なぜ重要か?

セキュリティ設定やユーザーインターフェイスの制限など、Windowsの動作を細かくコントロールできます。例えば「USBメモリの使用禁止」「特定のアプリの実行制限」などのポリシーを設定できます。

スモールビジネス(個人事業主・中小企業)はどちらを選ぶべきか?

ここからは、事業規模や業種別に最適なエディションを考えてみます。

個人事業主の場合

Home版が適している場合:

  • 顧客の機密情報をあまり扱わない業種(例:ブロガー、コンテンツクリエイター)
  • 外部からのリモート操作の必要性が低い
  • コスト重視
  • 基本的なPC利用が中心(メール、文書作成など)

Pro版が適している場合:

  • 顧客の個人情報や機密情報を扱う業種(例:税理士、コンサルタント)
  • 外出先からPCを操作する必要がある
  • 複数の環境でソフトウェアテストが必要(例:Web開発者)
  • セキュリティ要件が高い取引先と仕事をしている

中小企業の場合

Home版が適している場合:

  • 社員が数人程度の小規模事業
  • 各PCが独立して使われ、中央管理の必要性が低い
  • コスト削減が最優先事項

Pro版が適している場合:

  • 社員が10人以上で、PCの一元管理が必要
  • テレワークを導入しており、リモート操作のニーズがある
  • セキュリティ要件が高い業種(医療、金融、法律関連など)
  • 取引先から情報セキュリティ対策の証明を求められることがある

業種別おすすめエディション

業種・使用状況おすすめエディション主な理由
フリーランスデザイナーHome(基本)/ Pro(セキュリティ重視)基本機能で十分だが、クライアント情報保護ならPro
Web制作会社Pro開発テスト環境、リモートワーク対応、クライアント情報保護
税理士・会計事務所Pro顧客情報保護のためBitLocker必須
小売店(数人規模)Home基本的なPOS、在庫管理程度なら十分
社員10人以上の企業Proドメイン管理、セキュリティポリシー適用のため
医療関連事業者Pro患者情報保護のため高度なセキュリティ機能必須

コスト面での比較

Windows 11の価格差は以下の通りです(概算):

  • 新規購入時の差額: 約8,000円/台
  • Home→Proアップグレード: 約14,000円/台

新規に10台のPCを導入する場合、Pro版にすると約8万円のコスト増となります。

しかし、情報漏洩のリスクやIT管理の手間を考えると、必要な環境ではこの投資は十分に価値があると言えるでしょう。

まとめ:選択のポイント

  1. 機密情報の扱い:顧客情報や機密データを扱う場合はPro版のBitLockerが重要
  2. リモートワークの有無:テレワークを導入しているならPro版のリモートデスクトップが便利
  3. PC台数と管理方法:複数台を一元管理したい場合はPro版が必須
  4. セキュリティ要件:取引先や業界のセキュリティ基準が厳しい場合はPro版を選択
  5. 将来の拡張性:事業拡大の可能性がある場合、最初からPro版を選んでおくと後々の手間が省ける

ビジネスでのPC利用においては、初期コストだけでなく、セキュリティリスクや業務効率も含めた総合的な判断が重要です。事業の特性や将来計画も考慮して、最適なエディションを選択しましょう。

なお、最初はHomeを選んでも、後からProへのアップグレードは可能です。事業規模が小さく、予算に制約がある場合は、必要になった時点でアップグレードするという選択肢もあります。

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